高校野球ブログ~KNOCKOUTMARCH!~

高校野球に関する戯言を綴ります。

第101回選手権大会で印象に残った試合

まだ録画だけして見られていない試合も多くありますが、見応えのある熱戦がとても多かった大会だったように思います。

個人的に特に印象に残っている試合をいくつか挙げてみます。

星稜ー智弁和歌山

智弁和歌山 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 1
星稜 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3x 4

チーム状態が MAX に高まる3回戦での対戦、注目カードにお盆休み中の土曜日第2試合ということもあり朝から満員通知が出るほど大観衆の甲子園球場、様々な条件が整う中で実現した、今大会No1投手奥川と高校野球界の打の象徴・智弁和歌山との大一番。

優勝候補同士と言われる対戦では、ともすれば大味な試合に終わってしまうケースがよくありますが、誰もが期待する以上にお互いの力が噛み合った素晴らしい試合でした。

特にしびれたのがタイブレークに入った13回から。ここまで続いてきた緊張感ある投手戦の流れがタイブレークによって壊されてしまうかと思いきや、お互いに先頭打者が試みる送りバントを猛チャージのディフェンスで3塁封殺すること3度。鍛え抜かれた守備力に、1点もやるまいとする集中力、積極的なプレーを発揮できる精神力…。点が入る余地を微塵も感じさせない張り詰めた空気にしびれました。

国学院久我山前橋育英

国学院久我山 0 0 2 0 0 1 3 1 0 7
前橋育英 1 1 0 0 2 1 0 0 0 5

拮抗した好ゲームになる予感はあったものの、最後にはディフェンス力や試合運びの巧さに勝る前橋育英が勝つのではと予想していたこの試合。その予想を見事に覆される国学院久我山の見事な逆転劇でした。

西東京大会から接戦を勝ち抜いてきた勢いをそのまま発揮した終盤の集中打、そしてチャンステーマ『一本』に乗ってその攻撃を激しく後押しする大声援。グラウンドとスタンドが一体になって爆発する国学院久我山の姿に、試合が終わる頃にはすっかり心を持っていかれました。

息をつかせぬシーソーゲーム、魅力的な応援曲、大声援の盛り上がり。試合が一つの作品として結実したナイスゲームでした。

あまりに『一本』が頭から離れないせいで、甲子園が終わってからもこの試合を始め、敦賀気比戦や創価戦(西東京大会決勝戦)の録画ばかりを見返しているこの頃です…。

明石商ー宇部鴻城

宇部鴻城 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2
明石商 0 0 0 0 1 0 0 1 0 1x 2

相手を丸裸にする徹底したチーム分析、細かなベンチワーク、取材での歯に衣着せぬ発言、試合中の熱血アクション、とみなぎる個性ですっかりブレイクした感のある狭間監督。

狭間監督の采配とそれに応える選手たちの信頼関係がチーム力の源になっているような明石商野球は、選手の自主性を引き出す野球がよしとされる傾向にある昨今の中で、とても魅力的に見えます。

「うちは点を取るための全ての引き出しを持っている」(試合後の狭間監督インタビューより)。8回裏1死3塁からヒットエンドランでもぎ取った同点劇、10回裏のサヨナラスクイズ、とここぞの場面で力がいかんなく発揮された会心のゲームでした。

出てくる度に開会式で一番元気の良い入場行進を見せてくれる宇部鴻城、こういうチームが良い試合を見せてくれると余計に嬉しくなるものです。