高校野球ブログ~KNOCKOUTMARCH!~

高校野球に関する戯言を綴ります。

第80回センバツ優勝予想(2)

前回はこちらから。
第80回センバツ優勝予想(1)


今大会は常葉菊川、横浜の2校が高い前評判を誇る両横綱です。この2校には戸狩、土屋というそれぞれ大黒柱たる左腕エースがいます。先日のエントリーでサウスポーを話題に取り上げたのは、この両チームが象徴的であるように、サウスポーが中心の大会となる予感がしたからです。

前回、優勝校を見定める基準として

  • エース、もしくは試合の要所を務める主戦級投手に存在感、品格があること

という要素を挙げました。

確かに戸狩には十分な存在感があり、土屋には横浜らしい品を感じます。それでは大方の予想通りこの2校のどちらかですんなり決まるのでしょうか?

常葉菊川

今年の常葉菊川は堂々たる横綱の風格を兼ね備えています。すっかり有名になった極力バントをしない超攻撃的野球というイメージ以外にも、高い技術に裏付けされた積極的な走塁や元プロの佐野コーチと進化に取り組み続ける戸狩の様子なども広く知られるようになりました。

私など今年の常葉菊川の試合は一度も見たことがありませんが、それでもメディアを通じて伝わってくるその強さ。今年これほど目立っている学校は他にありません。しかしそこでちょっと待てよと、あまりに目立ち過ぎていやしないかと逆に感じつつあります。

進化する戸狩 - KNOCKOUTMARCH!ブログ -

これだけの情報までも大っぴらに公開しています。いくら強力な攻撃陣を持つと言っても大会を通してより大事なのは投手の安定、5試合もあればそのどこかで綻びを見せてしまいそうな気がしてなりません。

おそらくは準々決勝の横浜戦〜決勝戦にピークを持ってくることを想定したコンディション作りをしてくるはず。それ以前に顔を合わせるの明豊、千葉経大付のどちらかに非常に気配を感じます。より恐いのは実戦派の仕事人松本監督ですが、妖術でも使いそうな大悟法監督もあり得ます。

横浜

昨夏の神奈川大会準決勝の振り逃げ3ランは横浜史上の汚点となりました。さらに前年夏の大阪桐蔭戦もまたセンバツ優勝校の欠片も感じない締まり無い負けぶりでした。駒大苫小牧戦の完敗もずいぶんと気が抜けた試合でした。

松坂効果で圧倒的に高まったブランドイメージは現在までの横浜時代を作り上げてきましたが、ここ数年で変化が出ているように感じます。技術偏重の傾向が強すぎて、良くも悪くも大学野球みたいな空気を感じます。根拠の無い理不尽な強さ、みたいなものが時には必要なのですが、「クソ生意気な奴」(ベースボール・マガジン社「第80回選抜高校野球大会完全ガイド」より)が主将をやっていたり筒香のようなタイプが中心打者を務めているようなチームは私のイメージでは重なりません。

この春に悔しい思いをして、夏に取り返しに来た時が本当の狙い時ではないでしょうか。

気になる左腕

川口(平安)。ガイドを眺めていて一番良い顔をしているなと思った投手です。

苗字が同じなので夏準優勝時のエース・川口知哉の名前が良く挙がっていますが、雰囲気から察するに服部と完全にダブってみえます。服部はダルビッシュと投げ合って敗れましたが、あの夏の一回戦を見た時点で、私は優勝するチームが発するオーラを平安に最も強く感じていました。その一番の要素は服部で、泥臭く実直で昭和の香りがプンプン漂うような投球スタイルは、これぞ平安という素晴らしい投手でした。

川口が服部の再来のような投球を見せてくれそうな気がしてなりません。

顔で言うと三村(履正社)や南野(明徳義塾)もなかなかの顔に見えます。三村の精悍で気の強そうなムードは関西創価の野間口を思い起こさせます。南野は迫力こそありませんがピンチでも動じなさそうな芯の強さが滲み出ています。