第80回センバツ13日目雑感
正直、昨日までの流れからして決勝は千葉経大付−東洋大姫路の組み合わせ、そして優勝は東洋大姫路がすると思っていた。聖望、尚学、こういうチームの行方は全くもって読みにくい。
聖望学園−千葉経大付
そもそも千葉経*1に与えられた仕事は打倒常葉であって、それを果たした時点で本来はお役目御免だった。横浜があっさり負けたり、代わって主役に名乗り出そうだった北大津も勝ち続け慣れしていない脆さを露呈してしまったこともあり、押し出されてこのブロックを抜けてきたのを見落としていたような感がありました。
千葉経がそんなであれば、初出場で勢いそのままに上がってきた聖望の方がここで残るのは自然の流れ。運だけで上がってきたチームならここまで止まりですが、投手力、攻撃力とも侮り難い力があるのでそうはならなかった。
東洋大姫路−沖縄尚学
東洋大姫路ここまで良くやったなどという言葉は決してかけてはいけない。勝てる試合だったし、そのまま優勝できるチームだったと思うので、この敗戦は悔やんでも悔やみきれないほど大きなものだったと認識して欲しいものです。8回裏尚学の攻撃、代打に四球〜逆転タイムリーを浴びた流れの間だけ佐藤は完全に萎縮していた。腕が縮こまりストライクボールがはっきりし、何気ない変化球でカウントを取りに行くような投球をするようになっていた。あの場面で監督が少し間を取れれば、野手陣が少し声をかけられれば、展開は変わっていたような気がしてなりません。それともエースで4番主将という責任ある立場だからこそ課せられた試練にただ打ち勝てなかっただけなのか・・・。
ここまで来ると、比嘉監督は異常なまでの勝ち運を持った人間なのかもしれません。気軽に上甲、木内レベルを持ち出したくはありませんが、さしたる積み上げも無いこの若さで、しかも優勝レベルまで今一つ達しているとは思えないこのチーム力でここまでの結果を残すのは、それに匹敵するほどの強力な「勝ち運」という見えざる力が宿っているのでしょう。一昔前であればあり得なかったこんな展開も、ここ最近の結果に見られる駒大苫小牧の夏二連覇や佐賀北の優勝など、これまでの高校野球観をひっくり返されるような出来事が平気で起きている傾向からして、このまま成ってしまうような気がします。