高校野球ブログ~KNOCKOUTMARCH!~

高校野球に関する戯言を綴ります。

第84回センバツ高校野球大会優勝予想反省文

大阪桐蔭がこれだけの勝負根性を備えているとは思いませんでした。元々野球センスの高い選手の集まりである集団が、4番田端の欠場といったトラブルもプラスにしながら、試合毎にチームとしての完成度が高まっていったように思います。

藤波も線の細いイメージから想像していた悪い予想を裏切り、優勝投手に相応しいエースでした。メンバーとの仲の良さが伺えるベンチでの明るい表情、ここぞのピンチで見せる圧倒的な力で押さえ込む投球と、チームに上向きな勢いを与える好投手でした。

九州学院浦和学院との試合はそれぞれ敗色が濃い流れに感じましたが、その流れを一発で変えてしまうようなスケール感のある野球も続けて見せ、さすが近年の高校野球界で超名門校として格を張っている存在感を見せられたような気がします。

話は逸れますが、そんな大阪桐蔭にも一つ要望があります。

萩原たちの代で初めて甲子園にやってきた年、大阪桐蔭にはチャンスで流れる重厚な応援曲がありました。子ども心にあれを聞いた私は、野球の力とカッコいい応援を備えたすごい新勢力が大阪から出てきたと強いインパクトを受けたものです。しかしそれ以来、甲子園に登場した大阪桐蔭からその応援曲が聞けることは無くなり、選手毎に軽快な曲を流すただきれいな応援だけになってしまったようです。

私は個人的に「高校野球の一流校は応援も一流であること」(一流の定義は一言では説明できませんが、最低限オリジナリティもしくは球場内を支配できる存在感を備えたものとしておきます)という考えを持っています。なぜ無くなったのか原因は分かりませんが、ぜひあの応援が復活してくれることを願っています。

※この動画の7:45辺りからその応援曲が流れています。

光星学院の世代をまたいでの夏春連続準優勝(さらに神宮大会の優勝も挟んでいる)はものすごい結果で、相当な地力を感じました。田村、北条だけでなく攻撃陣の基本能力が全体的に高く、どんな相手でも完全に押さえ込まれることなく2巡目、3巡目までには必ず捕まえてしまう、そんな怖さがありました。
投手陣に絶対的な力は無いので、あれだけ攻撃が強いチームとやった時に打ち勝てるかどうかが頂点までの課題でしょうか。

Aブロック ×敦賀気比(○浦和学院

浦学は完全に見誤っていました。
二年連続関東大会優勝、チームカラーにマッチした野球小僧のような主力佐藤での勝負年と分かりやすいフラグが立っていたのに、いつもの冴えなさが露呈して良いムードが一蹴されてしまった。桐蔭戦で勝ち試合だった流れをひっくり返されたあたり、やっぱり勝ち運に欠けるチームなのかもしれません。一生懸命勉強に励んでいるがそれに見合った成績が伴ってこない、学生時代のとある友人を思い出してしまいました。

Bブロック ×九州学院(○大阪桐蔭

九州学院大阪桐蔭に勝っていた流れに見えましたが、笠松のハーフスイング〜ホームランという展開をしっかりつかんだ大阪桐蔭の勝負根性が惜しくも一枚上手でした。ただし九州学院は大塚の徹底したインコース攻めやキャラが立った野手陣と予想以上のインパクトで、夏に向けて一番楽しみを残してくれたチームでした。

花巻東に結果は期待してませんでしたが、試合内容の物足りなさが気になりました。攻撃は水ものでさておき、特に藤波がチームに推進力を与えるような良さを見せた大会だけに、大谷には夏に向けて気持ちを入れ直して欲しい。大阪桐蔭に完敗してミソをつけてしまいましたが、野球技術のみで勝負するチームでは無いので、また夏に返り咲くようならば勝負に持ち込める状態に仕上がっているはず。

Cブロック ○健大高崎

健大高崎は勝ち上がりから大会における立ち位置までイメージ通りの展開でした。ただ、大阪桐蔭戦で一度刺されてから走ることを止めてしまったのは実に惜しい。あの野球で上を目指すのであれば、均衡した試合でこそ足でプレッシャーをかけて活路を見出すという試合も見てみたかったところです。

Dブロック ×作新学院(○鳴門)

四国勢が時に見せる快進撃ですが、これは読めませんでした。

去年から気になってますが、作新の山下のあの存在感は何なのでしょうか。打席でのボールを射るような鋭い眼差し、バットではなく日本刀でも持っている侍のような錯覚すら覚えます。下級生の頃からあんな雰囲気を備えていたのは、記憶の限りでは上本(広陵)や梅田(明徳義塾)といった辺りしょうか。とにかく気になります。

Eブロック ×高崎(光星学院

近江も力の差がありましたが、高崎が万一初戦取っても光星には十回やって十回負けるくらい位ここは力の差があったように思います。空気を読んで早めに消えるかと思ってましたが、光星学院はそれを圧する地力がありました。。

Fブロック ○愛工大名電

期待されてちゃんと勝つんだから今年の名電は相当なものです。下手に温存せず全試合濱田で行くという心構えも良し。工藤カーブでも覚えてさらに投球術を身に付ければ、夏の連投でも期待できるんじゃないでしょうか。

Gブロック ○横浜

横浜らしいエースを立てた時の横浜の安定感はさすがです。渡辺監督の抗議は立場的に意外な行動でしたが、それだけまだ勝利への執念が衰えてないとも解釈できます。そろそろ引き際を考えているのでは・・・と危惧していましたが、まだ優勝回数を増やさないうちは辞める気無しと見ました。

聖光学院は相変わらず突き抜けた感じがなく、劣勢ともなるとそのままずるずる終わってしまう印象が拭えませんでした。鍛えられていることは良く分かるのですが想定内の強さに留まっていてそれを超えることがない感じなんですね。ただ前にも書いたようにどこかで一試合ドラマが起きれば変わる気はしています。好きなチームでもあるので頑張って欲しいですが。

Hブロック ×智弁学園(関東一)

関東一戦の最終回二死からの中村対小野の場面。智弁学園は優勝フラグを立てる後にも先にもこれ以上無い場面で結局勝ちきれませんでした。もともと頂点を取れる格の学校という印象は持ってませんが、今年の戦力、昨夏からの流れを受けてのこのセンバツならということで優勝予想しましたが、、。智弁学園の底が見えたようにすら感じました。

ちなみにこの試合、肝心な最終回の最後の打席中に我が家のテレビ録画が途切れていて、夜中にもがきました。

それにしても関東一の中村は良かったですね。差し込まれるほどの直球の伸びはもちろん、偏った配球、不敵な面構え、立ち姿なども昭和の佇まいがするような投手で惹かれるものがありました。調子の良い時に光星学院と組んだら果たしてどうなっていたでしょうか。